2009年01月11日

『仏果を得ず』三浦しをん

2008年12月31日、2009年1月5日読。




文楽ひとすじの笹本健大夫。


健は師匠の銀大夫から、「実力はあるが変人」と評判の三味線、鷺澤兎一郎と組むように言われ……



食われるなら本望だ。


兎一兄さんが鬼なら、俺も鬼だ。


負けられない。負けたくない。


「文楽バカや」



――すべてが、文楽を中心に舞台が回る。


おもしろかった!
これを読んだ後に、同じ作者さんの『あやつられ文楽鑑賞』を読んで、また読んでしまいました。
おもしろかった、ほんとうに。
どこまでも突き進み、極めようとする健と、三味線の兎一郎がすごく引き込まれた。

作者さんの文楽への愛情があふれていて、解釈が垣間見れる。
『あやつられ〜』の方が先で、そちらで感じた解釈が、こっちに盛り込まれているかんじ。

途中から、健の「えー」がおかしくてしょうがなかった。
あと、兎一郎のことで「そんなにいやでもなさそうな顔つきだった。」とある部分がお気に入り。いいんだ、と。

恋愛が脇におかれているのが、この作者さんはいい塩梅だなぁといつも思う。
それが絡んではいるのに、スパイスというか添え物というか、そんなかんじでそれがいい。


とにかく文楽! それしかない! という健がすごく引き込まれる。
ああ、こういう部分は、自分にだってある。そう思えてしまう。


本当、おもしろかった。
posted by nonoha at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ま行作者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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